本業でリハビリの仕事を続けていると、冷や汗をかくことが起きる。
私は症状が落ち着いた方のリハビリをすることが多いから、急性期の病院の人はもっとだろう。
①リハビリをした後、痛みの訴えがあること
リハビリでは歩く練習する前に関節をマッサージしたり、ストレッチをするのだが、
その時に痛いときに言われるのは、そこでやめればいいのだが、
問題はリハビリをやった日の夜に痛みの訴えが出てくること。
こうなってしまうと、ストレッチやマッサージが原因で痛みが出てしまったのか、
それともそのあとの運動で出てしまったのか、
はたまた他の理由なのか、もはや原因のつかみようがない。
初回のリハビリというなら、負荷が大きかったのかと思うのだが、
何回かやった後にそれを言われてしまうのは、どうしたものか。
もっと困るのは、痛みでもなく、足がつっぱるとか、足がつったとか・・・。
その時は言い訳してもしょうがないので、謝罪しながらもなんとなく何が起きたかを聞いていく。
それでもはっきりしないことが多いので、最近は何かいつもと違うことが起きたときは、
「痛くなるかもしれない」ぐらいは説明するようにした。
この一言があれば、あまり痛いと言われもしないのだが、言われたとしても最悪な状態にはならない。
②移動手段を変えたとき、その日に事故が起きないか
リハビリ施設なもので、移動能力や歩行能力を上げるのは我々の使命なのだが、
それでも車イスから歩行器にするときとか、歩行器から杖歩行にするときなど、
移動手段を変えるときはえらくドキドキして、ひどいときは夜も眠れないことがある。
もちろん、まだまだ危ない状況なのに、移動手段を変えることはなく、
歩けるかどうか、使えるかどうかを評価して、変更するわけなのだが、
それでもリハビリの時間以外、特に夜間帯になると、変身する人は多くいるわけで、
そうなると、私には想像できない部分がでてくるのだ。
だとするならば、現場の看介護さんに様子を見てもらうしかないのだが、
だいたい「忙しくて見られません」「そこの部屋はステーションから遠いので無理です」
とか言われてしまうので、それでも予想しながら判断するのだが…。
私が過去に失敗した話は、車イスから歩行器にしたのだが、
部屋から食堂までの練習を何度もしていて、これでいけるだろうと思ったのだが、
歩行器にした瞬間、よほど嬉しかったのか、部屋から食堂への距離の3倍以上ある
公衆電話まで行って、体力が尽きて帰ってこれなかった人がいた。
それは予想できんよ(泣)
③家族からの問い合わせ
世の中はコロナが第5類になり、割と自由になってきたのだが、
私の施設はまだまだ厳戒態勢が続いており、(厳しすぎてどうかと思うが)
面会は予約制になっていて、しかも15分程度。
ご家族も自由に面会ができない状態が続いている。
そうなると、面会が久しぶりになることは多々ある。
ここで本人の様子が上向いているときはまだしも、うちのような入所期間が長くなればなるほど、
ゆっくりいろんなところが調子が悪くなるし、ましてや施設内でコロナの集団感染があれば、一気に調子が落ちてしまうことも多々ある。
そんな時に久しぶりに会ったご家族がこんなはずではなかったと、
問い合わせが来た日にゃ冷や汗だらだらもんである。
その時は、できる限りの説明を尽くすとたいていの人はわかってもらえるのだが、
中にはご家族の思い込みでこんなことがあるわけないと、
ご理解いただけないときは地獄に落ちている気分である。
もともと誤嚥性肺炎と認知症の既往があり、やや嚥下能力が低下しつつあるご利用者様がいらっしゃり、最近、また誤嚥性肺炎を起こした。
そのために嚥下食に食形態を変更したら、
ご家族から、「普通のご飯にしないから元気が出ず、誤嚥するんだろう。今回、誤嚥したのだって、唾液を誤嚥したわけだから、なるべく起こしておいてほしい。」と。
いやいや、嚥下能力が低下しているから、嚥下食にしてるんだからね。
普通のご飯にしたら、認知症の影響で嚙まないし、そのまま飲み込むから誤嚥するよね。
しかも、なるべく起こしておくのはできるけど、寝る時までは無理よ。
そのご家族は同じ内容を言うために、看護師さんにも介護士さんにも栄養士さんにも私にも
個別に約30分を費やし、2時間かけて言っていった。
呼び出しがあったから、話を聞きに行ったけど、その間にリハビリしてた人、中断していったからね。
今、まだこの問題は未解決になっており、どうしたらいいのかと各関係各所と調整している。
今回、ドキドキすること3つ挙げたけれども、お分かりの通り、
我々の職種って「先生」って呼ばれることは多々あるけど、そんなすごい人たちではありません。
たまに介護さんからからかい半分で先生と呼ばれるが、
介護さんから先生と呼ばれるときはたいてい面倒な案件を含んでいることが多い。
そして半笑いで呼ばれるのはなぜだろう?
リハビリでの面倒な案件はまた次の機会に。